写真に撮りたい!ギフトにも最適 デザインがすてきな長野の地酒

写真に撮りたい!ギフトにも最適 デザインがすてきな長野の地酒
長野県には現在80を超える酒蔵があり、銘柄数ともなれば数え切れないほどです。何を選べばいいのやら…という人へ。難しいことを考えず〝ジャケ買い〟をしましょう。思いがけない出会いになるかもしれません。

とにかくかわいい!

尾澤酒造場「十九」

おりがらみの新酒「十九Snowflake」は冬の十九の風物詩。施されているのは雪の結晶(Snowflake)ですが、実はこの結晶、デザインが毎年6種類あります。みなさんは何種類の結晶に出会えるでしょう。

次はどんなラベルが並ぶのだろうと心待ちにしてしまうのが、長野市信州新町にある小さな酒蔵、尾澤酒造場のシリーズ「十九」です。その名は、日本酒造りでまだまだ一人前ではないという蔵元の謙虚な思いから「二十歳の手前」ということでつけられました。
ラベルの斬新さ、楽しさはほかの追随を許さないと言っても過言でないほど。この記事の一番上に掲載されている写真に写っているボトルが、そのごく一部です。白猫のイラストに添えられているのは「Gattolibero(野良猫)」という言葉。自由であり続けたいという思いがそこにあります。ブレーメンの音楽隊をデザインしたラベルには「poco a poco(ゆっくり、ゆっくり)」。急がず楽しみながら前に進んできた姿勢を表しています。
そんなふうに、蔵元の酒造りに注ぐ温かくて真摯な思いがそれぞれ込められています。その思いと一緒にぜひ飲んでみてください。

株式会社尾澤酒造場

住所 長野市信州新町新町168-1
電話番号 026-262-2209
URL http://www.misuzunishiki.co.jp/
*「十九」は特約店契約を結んでいる酒販店でのみ販売している限定品です。取扱店舗はこちらをご覧ください。
http://www.misuzunishiki.co.jp/store.html

仙醸「こんな夜に...」

黒松仙醸の銘柄で知られる酒蔵のシリーズのひとつが「こんな夜に...」です。見たとおり、色違いの地色をしいたラベルに小さな文字で「こんな夜に...」と配した余白を生かしたデザインが目を引きます。イラストレーターで陶芸家の堀込和佳さんによるイラストと文字で、全部で「山椒魚」「雷鳥」「山女」「鹿」「満月」の5種類があります。
たとえば「山女」は長野県らしいお酒を目指して酒米には県を代表する「美山錦」を、酵母は長野生まれのものを用いて…など、それぞれの説明はできますが、ここはひとつ、ラベルを見つめてインスピレーションで選んでみてください。この前は山椒魚だったから、今度は鹿…と飲み比べ、好みの味を探してみてはいかがでしょう。

株式会社仙醸

住所 伊那市高遠町上山田2432
電話番号 0265-94-2250
URL https://www.senjyo.co.jp/
*「こんな夜に...」は特約店と呼ばれる酒販店でのみ販売している限定品です。取扱店舗はこちらをご覧ください。
https://www.senjyo.co.jp/prd_post/ky05/

季節のお酒は風流でかつ斬新

凝ったデザインのラベルを貼る日本酒は、季節のお酒にもよく見られます。春先に出される薄にごりなどは、桃色をあしらったかわいらしいものが多いです。
暑い夏に向けた低アルコールや微発泡の夏酒は、透明や水色のボトルに白や水色といったさわやかなデザインのラベルが多く用いられます。写真のお酒は亀の海の夏の季節商品「蝉しぐれ」。白地に透明のニスインクを重ねて地模様のように見せるラベルで、一瞬無地のような潔さが夏の暑さをぬぐう清涼感にあふれています。
秋口のひやおろしは一転、暖色系に様変わりです。紅葉や月がデザインされたものも多く、「ああ、もう夏が終わるんだな」と、酒屋の冷蔵庫が季節の移り変わりを教えてくれるのです。

株式会社土屋酒造店

住所 佐久市中込1914-2
電話番号 0267-62-0113
URL https://kamenoumi.com/

注目のアーティストラベル

大信州酒造「花宙」

大信州酒造で2014年からリリースしてきたのが、長野県千曲市出身の画家、越ちひろさんがラベルを描く「花宙(はなそら)」です。そのコンセプトは「大信州の創作活動と、越ちひろさんの創作活動との融合」。名前の通り、華やかな花々が紙のラベルのなかにぎゅっと詰め込まれています。ラベル自体はもちろん大きなものではありませんが、その奥には大きな世界が広がっているように感じます。食卓にあるだけで笑顔になるような、そんなボトルです。

大信州酒造株式会社

住所 松本市島立2380
電話番号 0263-47-0895
URL *酒蔵併設の直営店舗「原田屋」か取扱酒販店で購入できます
http://www.daishinsyu.com/shops

伴野酒造「澤乃花 Masashi Ishiai 純米吟醸」

蔵元とアーティストの奥様が同級生という縁から生まれたのが伴野酒造のアーティストラベルです。アーティストは石合昌史さん。脳梗塞を経て絵を描くようになったという石合さんは2019年にはクラウドファンディングで資金を募りNYでの個展も実現させました。鮮やかな色で彩られた原画は、明るい明日への6つの願いを込めた「akusyu」「egao」「love & peace」「move」「ohisama」「omoiyari」の6枚。詰められたお酒は6つの純米吟醸酒をアッサンブラージュしたものです。

伴野酒造株式会社

住所 佐久市野沢123
電話番号 0267-62-0021
URL *酒蔵併設の直営店舗か取扱酒販店で購入できます
http://www.sawanohana.com/

5つの酒蔵、揃いのラベル

59年醸(ゴクジョウ)

昭和59年度生まれの酒蔵の跡取り5人がつくるユニット信州59年醸造会、通称「59醸」。活動はメンバーが40歳になるまでの10年間と決め、〝59醸酒〟をリリースしたりイベントを開催したりと、切磋琢磨してその酒質を高めています。
59醸酒とは、「全蔵同じ品種の酒米」「精米歩合59%」という基本ルールと、年ごとのテーマのもと、各蔵が醸した限定の日本酒のこと。テーマは、2015年から「自己紹介」「59楽」「3年目のうわき」「18金」「道なかば」「すご6」。酒蔵ごとの飲み比べも楽しいですが、遊び心にあふれたテーマとラベルデザインにも注目を。デザインするのは、やはり昭和59年生まれのグラフィックデザイナーで、59醸のトータルプロモーションを務める轟理歩さん。全部飲みたい、全部集めたい。そう思わせるラベルと取り組みです。ちなみに7年目となる2021年度は、酒米はひとごこち、テーマは「七三(シチサン)」。飲み手と〝ぴっちり〟つながって、真摯な酒造りを〝ビシッ〟と決める。そんな思いが込められています。

59醸(ゴクジョウ)

お土産に、贈り物に、選びたいボトル

桝一市村酒造場「スクウェア・ワン」

ラベルのみならず、ボトルそのものが思わず手に取りたくなるデザインなのが「スクウェア・ワン」です。スクウェア・ワンとは、「枡一=ますいち=□一」から取ったものでボトルデザインにも大きく描かれています。通常のガラス瓶もありますがここでぜひ紹介したいのは、白磁のボトル。留め具がついているので、飲み終わったあとも、たとえばやわらぎ水を入れるのに使ったりと、さまざまに活用できそうです。
同酒蔵からは純米酒山廃桶仕込みの「白金」も発売されています。デザイナーの原研哉氏が手がけたことでも知られるもので、ステンレス製の輝くボトルが目を引きます。高価格帯の商品で日常に…とはいきませんが、大切な贈り物にいかがでしょう。

スクウェア・ワン375ml(左)と白金750ml(右)

株式会社枡一市村酒造場

住所 上高井郡小布施町807
電話番号 026-247-2011
URL https://www.masuichi.com/
*直営店とサイトでのみの販売です

楽しいかわいいカップ酒

黒澤酒造「純米酒きたやつカップ」

千曲川の上流に位置する小海町と佐久穂町のコラボレーションで生まれたのがこちらのワンカップです。湖面に月が浮かぶように見えるラベルですが、これがどのようにデザインされているか…は、実物をみるまでのお楽しみ。描かれているのは、ふたつのまちを象徴する北八ヶ岳の山並み、落葉松、湖、月、そして星空です。ふたつの町は満天の美しい星空が眺められる場所。その空気感をそのまままとったようなワンカップです。ワンカップでありながら中身は生酛純米、外見も中身も十分に楽しめます。

黒澤酒造株式会社

住所 南佐久郡佐久穂町穂積1400
電話番号 0267-88-2002
URL https://www.kurosawa.biz/
*両町内のほか佐久地方で販売、近隣の山小屋での取扱もあります
*オンラインでの購入はこちらから
https://chomin-shop.jp/products/detail/167

大塚酒造「恋の のみ薬」

1日1回、1〜2日分、夕食前に。処方してくれたのは…「恋の病科」! そして「よくふってお飲みください」と「おだいじに」という温かなメッセージ。ついついじっくり読んでしまう楽しいラベルのにごり酒を詰めたミニボトルです。醸造元の大塚酒造は、島崎藤村が、そのにごり酒を嗜んだことで知られています。お土産に楽しい1本です。

大塚酒造株式会社

住所 小諸市大手2-1-24
電話番号 0267-22-0002
URL http://www.asamadake.co.jp/

福源酒造「北アルプス」

地域限定酒の「北アルプス」の普通酒を詰めたワンカップ。山並みを配したデザインは定番のようでいてレトロなロゴデザインと、ペパーミントグリーンの1色使いが逆に新しさを醸します。一方、小さく刻まれた文章の最後には「アルプスだ、あのときと変わらない アルプスだ」の一言。郷愁を誘うそのフレーズに、硬派な山好きの後ろ姿が浮かぶような気がします。

福源酒造株式会社

住所 北安曇郡池田町池田2100
電話番号 0261-62-2210
URL http://www.sake-fukugen.com/

薄井商店「村男Ⅲ世カップ」

〝白馬スキー伝来100年を記念し、ペガサス座流星群からやってきた〟白馬村の公式キャラクター「ヴィクトワール・シュヴァルブラン・村男Ⅲ世」をあしらったワンカップ。愛想がないところがかえってシュールでかわいいという村男の、登山やスキー、スノボをする姿が描かれています。中には北アルプスの麓、清酒【白馬錦】の辛口酒が詰められています。

株式会社薄井商店

住所 大町市大町2512-1
電話番号 0261-22-0007
URL https://hakubanishiki.co.jp/
*購入はこちらから
https://hakubanishiki.stores.jp/items/5f880ff0d24eee13dfbbbe7f
*「ヴィクトワール・シュヴァルブラン・村男Ⅲ世」のプロフィールはこちらから
https://www.vill.hakuba.lg.jp/section/murao/profile/
左から「恋の のみ薬」「北アルプス」「村男Ⅲ世カップ」